2025.09.04
古材利用の価値
リノベーション工事における古材利用の意味は、単なる「もったいないから」という理由だけではなく、家の歴史やご先祖様とのつながりを感じる、深い価値をあると感じます。
この価値を最もよく物語るのが、あるご家族のリノベーションで出会った建具のエピソードです。その家で使われていた建具は、実は家が建て替えられた時に、さらに前の家から再利用されたものでした。当時の人々は、ものを大切にする「もったいない」という思いで、その建具を使い続けていたのです。
そして今回、その建具は再び丁寧に修復され、新しい家で生まれ変わることになりました。単なる古びた木材ではありません。その建具には、100年近くにわたる家族の歴史や思い出が、まるで年輪のように刻み込まれているのです。
新しい建具には、定価という「価格」がありますが、この古材の建具には、その価格では測れないかけがえのない「価値」があります。何世代にもわたる家族の暮らしや想いが、一枚の建具に凝縮されているからです。
上の写真は窓の上にある霧除け(窓庇)です。見ている板は、実は縁側の床板を再利用しました。自然素材の無垢材だからこそ再利用できるものです。100年も昔の家は無垢材しかありませんでした。現代の新建材(合板)であれば1世代だけのもの。
裏を返せば、昔は自然素材だから「もったいない」と考えたのかもしれません。それだけで先代の想いを感じることが出来ます。
リノベーションに古材を取り入れることは、家の歴史を守りながら、過去と未来をつなぐ、そんな深い意味合いを持つのがリノベーションなのだと再認識します。