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『住宅屋としての使命』

『住宅屋としての使命』 | 社長コラム「一期一会」
26年前の今日、阪神淡路大震災が起こった。
僕はまだ20歳の学生だった。
朝、TVから流れる映像に言葉を失ったことはよく覚えている。
 
しかし、詳細のことはだんだんと記憶から抹消されていることに気づく。
その後に起きた東日本大震災とゴチャゴチャになっていることもあるような気がする。
記憶とは恐ろしいモノである。絶対に忘れてはいけない!と強く思っていても、
徐々に徐々に薄れていく。
だから、こうやってこの日を迎え、記憶の奥底に眠る大切なことを強制的に引っ張り出し、振り返ることがいかにも大事であることを実感をする。
 
地震大国の日本にあって、その備えは最重要なことである。
ましてや、住宅を設計し、つくるものとしては、いの一番に耐震性を考える必要がある。
 
しかし、20年ほど前にこの世界に入ったとき、木造住宅は「勘と経験」によって建てられていることを知る。
今なお、その風潮がスタンダードであるというのは、残念ながら真実のように思う。
 
僕自身は、毎年毎年、1月17日に原点に返る日としている。
「家が家族の命を守る」という信念を確認する日。
 
阪神淡路大震災以降も新潟・長野・鳥取・北海道・東日本全域、そして熊本。。。
多くの地震が起こり、その度に家が家人の命を奪う光景を見てきた。
 
耐震性を語るうえで、僕が大切にしていることは「命を守る」こと。
そのために、構造計画や木材の強度の測定などを行ってきた。
リノベーションでも、上部構造評点の1.0を目指す計画を推奨している。
 
付け加えると、防蟻の処理も重要と考えている。
耐震の説明をする際に、僕は必ず防蟻の話をする。
なぜならば、どんな強固に作った家でも、シロアリの被害にあい、土台や柱、梁が腐っていたら一環のお終いだからである。
湿気の問題とカビの問題とも相関関係にある腐食の問題は耐震性を語る上では、避けて通れない。
壁体内結露を起こさず、シロアリから守ったうえで、耐震性を強化する必要があると信じてやって来ました。
そうは言っても、まだまだ開発の余地がある。
 
研究の手を休めてはいけない。
 
今日この日は、僕にとって原点に返る日。
 
阪神淡路大震災での尊い命の犠牲が、僕の住宅に対する基本的な考え方を支えています。
 
家が家族の命を守る。
 
これから先も、ずっと研究を続けて参ります。
 
今年は、地震・台風・大雨・強風・大雪と、自然災害が多発しそうな気がしてなりません。
まずは、備えましょう。