『一着のスーツに込めるもの』
昨期、優秀社員賞に輝いた3名。男性1名、女性2名。
そのご褒美?記念品?に、オーダースーツを作りに行ってきました。
これまで、優秀社員表彰の副賞は「賞金」でした。
もちろん、それも嬉しい。
けれど、お金は日々の暮らしに溶けていく。
いつの間にか、何に使ったのかも忘れてしまう。
だから今年から、形を変えました。思い出に残るモノを。
袖を通すたびに、あの一年を思い出せるモノを。
それが、高級オーダースーツです。
伺ったのは、高級生地を扱うお店。
棚に並ぶ生地見本。
手に取れば、すぐにその良さが分かる。
量販店のものとは、まるで違う。
しなやかさ。
光沢の奥行き。
指先に残る、柔らかな張り。
良い生地は、触れば分かる。
これが本物であると。
これって、我々が扱う無垢材と同じかもしれません。
本物は、説明より先に手が教えてくれる。ということです。
オーダースーツの良さは、生地だけではありません。
まず、体に合うこと。
肩幅、胸回り、腕の長さ、姿勢の癖。
一人ひとり違う体を採寸し、その人のためだけに仕立てる。
既製服のように「服に体を合わせる」のではなく、「体に服を合わせる」。
だから動きやすく、疲れにくく、立ち姿が美しい。
女性のスーツも、もちろんオーダーで。
ウエストの絞り、着丈のバランス、肩まわりのライン。
パンツにするか、スカートにするか。
既製服ではなかなか出会えない、自分だけのシルエット。
女性にこそ、オーダーの良さが活きるのかもしれません。
そして、選ぶ楽しさ。
生地、色目、柄。
ボタンや裏地、襟の形。
自分で選んだ一着には、自然と愛着が生まれる。
さらに、長く着られること。
良い生地で、丁寧に仕立てたものは長持ちする。
手入れをしながら、何年も付き合っていける。
大量に作り、大量に捨てる時代とは逆の価値観。
これも、私たちの家づくりに通じるものがあります。
生地を選びながら、ワイワイガヤガヤ(笑)
「それ、似合うね」
「この色、顔映りがいいよ」
「いや、こっちの方が落ち着いて見える」
「ちょっと派手すぎない?」
女性陣の目は、さすがに鋭い。
男性の生地選びにも、遠慮なく意見が飛ぶ(笑)
普段の仕事場では見られない、柔らかな表情。3名とも、本当に楽しそうでした。
採寸もしてもらい、気づけば3時間。ようやく注文が完成。
メジャーを当てられる姿を見ながら、ふと思う。
これは、私たちの家づくりと同じだ、と。
ひだまりほーむでは、プランを描く前に「暮らしインタビュー」を行います。
いわば、暮らしの採寸。
朝は何時に起きるのか。
どこで、誰と、ごはんを食べるのか。
休日はどう過ごすのか。
大切にしているモノ、手放せない習慣。
家族一人ひとりの、暮らしの寸法を測っていく。
スーツが体の寸法で仕立てられるように、家は、暮らしの寸法で仕立てられる。
既製の間取りに暮らしを押し込むのではなく、その家族の暮らしに、家を合わせる。
家に暮らしを合わせるのではなく、暮らしに家を合わせる。
体に合ったスーツが、立ち姿を美しくするように。
暮らしに合った家は、日々の所作を自然にし、家族の時間を、心地よく包んでくれる。
そして、良い素材で丁寧につくったものは、長く付き合える。
手入れをしながら、時とともに味わいを増していく。
スーツも、家も。
本物の「誂え」に通じるものは、きっと同じなのだと思います。
仕立て上がりは12月5日。
当面の課題は、それまで体型を維持すること(笑)
これは本人たちだけでなく、引率者の私にも言えることかもしれません。。。
出来上がったら、みんなにお披露目です。
想像以上に良いスーツになると思います。
引率者ながら、私が一番、楽しみにしているのかもしれません。