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『歴史の証明』

『歴史の証明』 | 社長コラム「一期一会」

松下資料館&PHP研究所での課長主任研修の前に、少し寄り道をした。
場所は、京都・智積院。
その境内にある鐘楼へ、みんなを連れていった。

なぜ、この場所だったのか。
1993年。
鷲見製材が、まだ社寺仏閣用材を扱っていた頃のこと。
智積院の鐘楼に、欅の木材を納めさせていただいた。
製材機で、その木材を挽いたのは長沼均さんだった。
製材機の音。
挽きたての木材の香り。
今も鮮明に思い出せる、なんとも懐かしい風景。

まもなく100周年を迎える、我が社。
その歴史の中に、社寺建築という時代があった。
全盛期は、北海道から九州まで。
全国の社寺建築に、木材を納めていた。
そのことを、若い社員たちに知ってほしかった。
この鐘楼の佇まい。
屋根の反り、木組みの深い陰影。
この一本一本の木を選び、挽いてきた職人たちがいたことを。
その息吹を、感じてほしかった。

歴史は、確かに繋がっている。
当時、社寺建築の木材を見立てていた目。
その目が、今の住宅用木材の選定に、脈々と受け継がれている。
だから、ひだまりほーむの木材は美しい。
そう言っていただけるのは、この歴史があるからだ。
我々の家が「凛としている」と表現されるのも、同じ理由だと思う。
社寺建築から来る、木材への見立て。
その血が、今も流れている。

写真を見返すと、皆の表情がいい。
鐘楼を見上げる者、話に耳を傾ける者。
この場所に立って、何かを感じ取ってくれていたら嬉しい。
歴史は、教えられるものではなく、感じるものだ。
だから、現場に連れていく。

素晴らしいことだ。
100年という時間は、決して当たり前のものではない。
その一部分を、こうして目に見える形で確かめられることに、感謝したい。
これからも、この歴史を胸に、木材と向き合っていきます。