『家づくりは、自分づくりだ。』 |新着情報|ウッディライフ

『家づくりは、自分づくりだ。』

『家づくりは、自分づくりだ。』 | 社長コラム「一期一会」

家づくりの相談を受けていると、いつも同じところに行き着く。
「どんな間取りがいいですか?」
「どんな外観がお好みですか?」
そんな質問は僕にとってナンセンス。
僕が聞きたいのは、
「子どもには、どんな風に育ってほしいですか?」
「休日は、どんな風に過ごしたいですか?」
「歳を重ねたとき、どんな暮らしをしていたいですか?」
気がつくと、家の話ではなく、人生の話をしている。
これは、意図的にそうしているわけでもない。
自然とそうなる。
どんな家に住みたいか。
それを突き詰めていくと、必ず、どんな人生を生きたいか、に行き着く。
窓から見える景色にこだわりたいという人は、きっと、日々の暮らしの中に季節を感じていたい人だ。
広い土間が欲しいという人は、きっと、人が集う暮らしを大事にしたい人だ。
その奥にあるのは、間取りの好みではなく、生き方の選択なのだと思う。
だから、僕はいつも思う。
家づくりとは、自分づくりだ。

家を建てるという行為は、実は、自分と向き合う時間でもある。
何を大事にしたいのか。
どう暮らしたいのか。
普段の生活では、あまり深く考えないようなことを、家づくりは否応なしに問うてくる。
予算という現実の中で、優先順位をつけなければならない。
その優先順位こそが、その人の価値観そのものだ。
「性能を優先するのか、デザインを優先するのか」
「今の暮らしやすさを優先するのか、将来の変化に備えるのか」
そのひとつひとつの選択が、実はその人自身を形づくっていく。
家が完成する頃には、間取りだけでなく、自分自身の輪郭も、少しはっきりしているのではないか。
そんな風に、僕は考えている。

これは、住まい手だけの話ではない。
つくり手である僕たち自身も、家づくりを通して育てられてきた。
一本一本、性格の違う木と向き合う。
その木を見る目を養うには、何年もの修練が要る。
簡単な近道はない。
お施主様の言葉にならない想いを汲み取るには、想像力と謙虚さが要る。
現場で職人たちと信頼を築くには、誠実さが要る。
家づくりの現場は、技術を磨く場所であると同時に、人間性を磨く道場でもある。
若い社員が、一棟、また一棟と家づくりに携わるたびに、顔つきが変わっていく。
その姿を見るのが、僕は好き。
家をつくっているようで、実は、人をつくっている。
そう実感する瞬間が、何度もあった。

家づくりは、自分づくりだ。
住まい手にとっても、つくり手にとっても、それは変わらない。
だからこそ、僕たちは、ただ図面を引く仕事だとは思っていない。
どう生きるか。
どう暮らすか。
どう育てるか。
その問いに、真正面から向き合う仕事だと思っている。
家が人をつくり、人が家をつくる。
その循環の中に、僕たちの仕事の本当の意味があるのだと、改めてそう思う。