2025.06.10
まだまだ続く4号特例縮小に関する勉強会
リノベーションについて関心のある方、こんにちは。
WOODYYLIFEの牛丸です。
さて、リノベーション業界で現在も今なお大きな注目を集めている法改正があります。
それが **「建築基準法における、いわゆる4号特例の縮小」** です。
この改正は2025年4月1日から施行され、すでに2か月が経過しています。
今後のリノベーションの進め方に大きく関わる重要な変更点であり、業界内では未だに各地で勉強会や情報交換会が開催されている注目のテーマです。
今回は、この4号特例の改正がリノベーションにどのような影響を与えるのか、
そしてこれからの住まいづくりにおいて何が重要になってくるのかを
少しお話ししたいと思います。
■ リノベーション協議会の取り組み
今回の勉強会は、リノベーション協議会岐阜支部主催で実施されました (参加社数は多くないものの、弊社も加盟し、日々学びを深めています)。 リノベーション協議会は、リノベーションの品質や信頼性を高めるための 基準づくりや普及活動を行い、消費者が安心して既存住宅を選べるような 市場環境の整備を目指している団体です。
■ そもそも「4号特例」とは?
建物を建てる際や大規模な改修を行う際には、 その計画が建築基準法に適合しているかを、自治体や民間の指定確認検査機関による 「建築確認」を通じて確認し、工事完了時には「完了検査」を受ける必要があります。 これらの手続きは、建物の安全性を確保するために非常に重要です。 これまでの建築基準法では、 一定の小規模な木造建築物(いわゆる「4号建築物」)について、 建築確認・検査の一部手続きが省略される「4号特例」が認められていました。 この特例は新築だけでなく、 増築や改築、大規模な修繕・模様替えにも適用される場合がありました。 ■ 2025年4月1日から何が変わったのか? 改正建築基準法により、4号特例の対象範囲が大幅に縮小されました。 とくに、これまで4号特例の対象だった多くの木造建築物については、 増築、改築、大規模な修繕または模様替えの際に、 原則として建築確認・検査が必要になります。
主なポイント:
確認申請が必要となる範囲の拡大** たとえば、床面積10m²を超える増築や、 構造耐力上主要な部分の過半を超える大規模な修繕・模様替えなどは、 今後は確認申請の対象となることが明記されました。
リノベーションへの影響は?
この法改正は、特に**既存住宅の性能向上や構造改修を伴う リノベーション工事において、以下のような影響を及ぼしそうです。 1. 建築確認申請が必要なケースの増加 これまで申請不要だったリノベーション工事でも、 今後は確認申請が必要になるケースが増加します。 それに伴い、建築基準法に適合するための設計・書類作成が求められ、 手続きにかかる時間や費用も増えることが予想されます。 2. 現行建築基準法への適合が原則に 確認申請が必要となった場合、 現行の建築基準法に適合する必要があります。 構造規定や省エネ基準(とくに増築部分など)への適合が求められ、 特に古い建築物では、構造の改修が技術的にも コスト的にも大きな課題となります。 3. 構造評価の厳格化 これまでリフォームやリノベーションでは「上部構造評点」による 耐震評価が一般的でしたが、今回の改正により、 新築と同様の修正された壁量計算や許容応力度計算が 必要になる可能性が明確になってきました。 ただし、これは現時点では国の明確な指針が出ていない部分もあり、 今後さらに詳細なガイドラインが示されることが期待したいところです。 勉強会では、「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法(新耐震木造住宅検証法)」 による「上部構造評点」ではなく、「新築と同様の構造評価」が 今後求められる方向性あるというのがわかってきました。 ■ 確認申請が必要な場合の対応 確認申請が必要なリノベーションでは、 原則として\*\*建築基準法第20条(構造の安全性)\*\*が適用されます。 ただし、構造耐力上の危険性の増大が伴わないと判断されれば、 適用除外となる場合もあります。この「危険性の増大を伴わない」という判断には、 専門的知見と、既存建築物に対する詳細な現況調査が不可欠です。 また、検査済証などがない古い建物では、現況の正確な調査が難しくなるケースもあり、 リノベーション計画における大きなハードルとなる可能性があります。 ■ 一方で、安心材料も ただし、すべてのリノベーション工事において 確認申請が必要になるわけではありません。 構造に影響を与えない断熱改修や内装工事などは、 引き続き申請不要とされる場合もあります。 そのため、「確認申請が不要なリノベーション方法」についても 徐々に基準が明確になってきてました。 「断熱や耐震性能を向上させつつ、確認申請を行わずおこなえるリノベーション方法」 も存在しますので、事前の計画が今後より重要になってくるとおもわれます。 ■ 今後求められる対応力と専門性 今回の法改正により、リノベーションに対応できる会社と、 そうでない会社との違いがより顕著になっていくと思われます。 ホームページ上で「リノベーション対応」と掲げている会社は多くありますが、 実際にはリフォームの範囲を出ていないと感じられるケースも見受けられます (なお、「リフォーム」と「リノベーション」の明確な定義が法律上に存在しないため、 それ自体が決して悪いわけではありません)。 しかし、今回のように建築確認申請の要否判断や、 現行基準への適合、既存構造の把握と安全確保といった 複雑な対応が求められるようになると、 **高度な専門知識と経験を持つリノベーション会社**でないと、 適切な対応が難しくなることは確かです。 ■ ウッディライフの特徴 ウッディライフでは、以下の特徴を強みにリノベーション工事を実施しています ・基礎改修から行う耐震性能向上のノウハウと技術力 ・その基盤となる丁寧な現地調査の実施 ・リノベーション特有の税金や相続、権利関係に関する幅広い相談対応 などを自社の強みとして掲げています。 「リノベーションを考えようかな?」と思った段階でも、お気軽にご相談ください。