『バカヤロウ』

『バカヤロウ』

『バカヤロウ』 | 社長コラム「一期一会」

『バカヤロウ』

大切な同志との別れ。
長年に渡り基礎工事をしてくれた同志がこの世を去りました。享年45歳。

彼は仕事においては真面目で研究熱心。
僕の無理難題をことごとくクリアーにしてくれた。
若い子には手厳しく指導もしてくれた。
口が悪く、おめぇ~。と言って若い子の多くはたくさん叱られました。
普段は陽気で明るく、律儀な男。
酒が大好きで、飲むとその陽気さが増して面倒くさく暑苦しく、それでいてくどい。
その酒が色々と悪さをする。

今年に入り明らかに体調が悪い。
何度も病院に行くようにきつく言うものの言うことは聞かない。
病院の前で写真を撮って俺に送れ!それまで毎日でも電話するぞ。と脅してようやく病院へ。しっかり写真を送ってきた。
しかし、もう遅かったんでしょう。
聞くところによると、もっと前から悪かったようです。
もっと早く気づいていれば、
もっと早く病院へ送り込めば。
首根っこつかんででもそうしていれば。
後悔に似た感情が僕の心をしめる。
恐らく、皆が同じように感じているのだろう。

通夜の前夜、会いに行った。
棺に入ったあいつにバカヤロウと言ってやろうと思っていた。
蹴っ飛ばして起こしてやろうとも思っていた。
悪ふざけもいい加減にしろと、叱ってやろうと思っていた。
しかし、出てくる言葉や感情は「ありがとう」と言う思い。

ひだまりほーむの300棟もの基礎を作ってくれた。
一緒になって日本一の基礎を作ろうと、一緒にチャレンジしてきた。
その間に、ひだまりほーむ自体が成長をしていった。
まさに、彼と共にここまで来た。
聞いたことはないが、あいつはひだまりほーむの事が大好きだったんだろう。
独立してからのほとんどの時間をひだまりと共に過ごしたんだろう。
だからこそ、悔しくて仕方ない。

最後に一緒に飲んだ時、ノンアルコールビールだった。僕の前では飲んでいることは絶対に言わなかった。よほど怖かったんだろう。
その飲み会では国民年金納めたとか、保険がどうとか言う話をした覚えがある。
今思えば、あいつなりに準備をしていたのかも知れない。
その時はそうは思わなかった。

もう荼毘にふされ姿形もなくなってしまった。
もう話をすることもできない。

悪ふざけの過ぎる人生だったが、それもまた良し。

改めてご冥福をお祈り申し上げます。
長きに渡り、本当にありがとう。

最後はやっぱり、バカヤロウだな。
お疲れさん。