古いからこその価値

革のカバン
スイスの腕時計
木の椅子
履き古したジーンズ
古いモノにこそ価値があるモノがあります。
住宅にも、そういった価値を見出したい。
と言うよりも、そういった価値を広げたいといった方が良いのかもしれません。
これらの共通していることを僕なりに解釈をすると、
①しっかりと作られている
②モノづくりへの背景がある
③心がこもっている
④シンプルである
⑤使い勝手がいい
こういった事があげられる。
グッドデザイン賞というデザインの賞がある。
その中に、ロングライフデザイン賞なるモノがある。
その意味を転記すると、
『ロングライフデザイン賞は、長年にわたり作り手と使い手、
社会との対話の中で醸成され、暮らしや社会の礎となり、未来においてもその役割を担い続けてほしいデザイン、
時代と共に変化する価値観を超えて、スタンダードであり続ける力を持ったデザイン』
僕の解釈とほぼ同じように感じる。
家づくりをしていて、いつも心に留めることは、「20年経ってもいい家でありたい」ということ。
その為に、
奇抜なデザインではなく、馴染むデザインを旨としてきた。
色使いも、派手ではなく、風景に溶け込む色使いにしてきた。
一方で、リノベーションを手掛けるようになり、今ある古い家にも同じように価値のあるモノを多く見受けるようなった。
一方で、古い家は資産価値が失われ、ピカピカが一番とされている現状。
経年美という言葉で表すと、古い家にはその経年美がある。
構造の美しさも感じることも多々ある。
当時の大工が一所懸命に工夫した形跡も感じる。
そう考えると、日本のかつての住宅は「ロングライフデザイン」なんて言葉はない時代だったにもかかわらず、
まさに、ロングライフデザインだった。
しかし、その古い家は、冬寒く、使い勝手が悪く、耐震性に不安がある。
だからこそ、修理したり、更新したりして、まだまだ使える状態にする。
これがリノベーションの醍醐味。
「古いモノ」を活かしつつ、「新しいモノ」に変えていきたい。
ひだまりのベーションの熱き想いの一つでもあります。
